お茶を飲むという行為は、ただ喉を潤すためだけのものではない。心を整え、時にゆるめ、ふと立ち止まるひととき。それをより豊かなものにするのが、手に馴染む器の存在である。有田焼、そして源右衛門窯の湯呑は、まさにそんな時間を格別なものに変える力を持つ。


「染錦小花散し湯呑」は、源右衛門窯の技術と美意識が詰め込まれた逸品だ。湯呑を包むように描かれた小花たちは、一つひとつが丁寧に筆で彩られ、まるで春の野に咲き乱れる花々を思わせる。鮮やかな染錦の色彩は見るだけで心が浮き立ち、温かな湯気とともに、和やかな気分をもたらしてくれる。
有田焼の特徴は、その緻密で滑らかな磁肌と、長く使い続けることで深まる味わいだ。染錦の絵付けは時を経るごとに一層艶を増し、器が手になじむほど、その美しさも愛着も増していく。「染錦小花散し湯呑」もまた、そんな時間とともに成熟していく器である。



源右衛門窯は、古伊万里の伝統を今に受け継ぐ窯元として知られる。古伊万里の作品が持つ、華やかさと気品、そしてどこか懐かしさを感じさせるデザインは、現代の暮らしにも調和する不思議な魅力を持っている。源右衛門窯の作品は、熟練の職人たちが丹念に手作りし、ただ飾るだけではなく、日常に寄り添う器として仕立てられているのだ。
この湯呑を手に取り、熱いお茶を注ぎ入れたとき、指先に伝わるその柔らかな質感、唇に触れる磁器の滑らかさに、きっと感動を覚えるだろう。ひと口飲むごとに、器の表情が目に飛び込んでくる。その小花たちはただの模様ではなく、まるで心に語りかけるような優しさを帯びている。
また、湯呑はその形状からも実用的であり、手にしっくりと馴染む設計が施されている。お茶だけでなく、ほうじ茶、玄米茶、あるいはお気に入りのブレンドティーを淹れても、器そのものが飲み物を引き立てる名脇役となる。毎日使っても飽きがこず、むしろ使い込むほどに愛おしさが増していくのだ。
日々の忙しさの中で、「お茶を一服」と思う瞬間に、この湯呑を選んでみてほしい。それは、ただの湯呑ではない。心を癒し、生活に彩りを与え、手にした人の一日を少しだけ豊かにしてくれる、特別な存在だ。
「染錦小花散し湯呑」でいただくお茶の時間。それは、器を通じて有田の伝統と出会い、自分自身と向き合う静かなひととき。そんな豊かな日常を、ぜひ手に入れてほしい。
【有田焼】【源右衛門窯】 染錦小花散し湯呑


【有田焼】【源右衛門窯】 染錦小花散し湯呑
サイズ 直径 約8cm 高さ 約8cm

