深まりゆく藍色の世界
有田焼の染付の美しさには、時代を超えた感動があります。初期伊万里のシンプルな草木や山水の模様、芙蓉手や蛸唐草文様といった意匠の移り変わりには、日本人の美意識と外国文化への対応力が織り込まれています。その一方で、有田焼の小鉢は、実用性と美しさが一体となった、現代の暮らしに寄り添う存在として輝きを放っています。
藍の美、染付と青磁の魅力
有田焼の染付は、余白を生かしたシンプルな構図が特徴的です。その中で、藍の濃淡が織り成す模様には、静かな叙情性が漂います。江戸時代初期には、輸出品として西洋で高く評価された芙蓉手や水柱が登場し、やがて日本国内でも染付の美が広く受け入れられました。
青磁はその透明感と緑青色の美しさが魅力です。有田焼では、青磁に染付や鉄絵を組み合わせた複雑な技法が生まれ、中国の影響を超えた独自性を築きました。この「藍」の深まりは、食卓を引き立てる器としても重宝され、現代の感覚にも通じる普遍的な美を感じさせます。
小鉢の楽しみ
有田焼の小鉢は、和の伝統と洋の実用性が融合した器です。小鉢の良さはその多様性にあります。サイズも形状も異なるものを揃えることで、毎日の食卓が一層豊かなものになります。例えば、3寸から5寸の小鉢は、あえものや酢の物を美しく盛り付けるのにぴったり。特に、染付や青磁の小鉢は、料理を引き立てるキャンバスのような役割を果たします。
浅めの小鉢は、鍋物の取り鉢や果物、デザートの器としても活躍。日常の残り物を入れる器として使うのも実用的です。これらの小鉢は、食卓にリズムを与え、さりげなく季節感を演出します。一人ひとりの手元に置かれる小鉢は、その日の気分や料理の内容によって、自由に選べる楽しさがあります。



有田焼と小鉢の相性
有田焼の小鉢は、その藍色の魅力を活かしつつ、現代的な食卓に合う機能性を備えています。例えば、蛸唐草文様の小鉢は、家庭の煮物やサラダを一層美味しそうに見せてくれます。また、白磁や青磁の小鉢は、料理そのものの色彩を引き立て、洗練された雰囲気をもたらします。
焼締の小鉢もまた素朴な料理と好相性です。肉じゃがや野菜の煮物など、家庭的な料理を盛り付けると、どこか懐かしさを感じさせる佇まいに。一方で、モダンなデザインの焼締鉢なら、洋風の料理とも自然に調和します。

食卓を彩る器の物語
有田焼の小鉢は、単なる器以上の存在です。料理を引き立て、食卓に物語を添える小さな芸術品。その藍色や白磁の輝きは、日々の暮らしの中で人々の心を癒し、豊かさをもたらしてくれます。
小さな器の中に広がる無限の可能性。今日の食卓にどんな料理を盛り付けようか、そんな想像を膨らませるのも、器を選ぶ楽しさの一つです。有田焼の小鉢は、伝統を受け継ぎながらも現代に寄り添い、食卓をより華やかで豊かなものにしてくれるパートナーと言えるでしょう。
藍の深さと形の美しさ。それが、有田焼と小鉢がもたらす、日常の特別なひとときです。
下記の作品は、薄手の生地は桔梗型に模された優雅な小鉢。更に格の高い瓔珞紋が絵付けされた品の良い仕上がりです。
桔梗渕瓔珞小鉢


桔梗渕瓔珞小鉢
サイズ φ12 x H5cm
素材 磁器
生産地 有田焼





