唐津焼は、その土地の土の風合いをそのまま表現し、自然の美を映し出す陶器として愛されています。赤みがかったざんぐりとした土や、白く滑らかで粘りのある土が、窯の中でこんがりと狐色に焼き上がり、器ひとつひとつに独自の個性と温もりを与えます。この野趣に富む土の香りが、唐津焼の魅力の一つです。
唐津焼の最大の特徴は、その素朴で力強い美しさにあります。華美な装飾ではなく、シンプルながらも味わい深い鉄絵が、土の表情をさらに引き立てます。地味な色合いの中にある深い味わいは、使い込むほどに増す奥行きと風格を感じさせ、日常の食卓に一抹の豊かさを添えてくれます。
今回ご紹介したいのは「朝鮮唐津のかけ分けの六寸五分皿」です。この皿は、黒釉と斑釉の二つの釉薬が絶妙にかけ分けられ、土の表情と釉薬の風合いが見事に融合しています。黒釉の深みと、斑釉の柔らかさが一枚の皿に重なり合い、手に取ると土の温かみと力強さが伝わってくる一品です。
この皿は、料理を一層引き立てるだけでなく、手に持つたびに土と火が織り成す自然の力を感じさせ、日々の食卓をより豊かに彩ってくれるでしょう。
唐津焼:朝鮮唐津かけ分け六寸五分皿・中村恵子



唐津焼:朝鮮唐津かけ分け六寸五分皿・中村恵子
おおよそ直径20.0 × 高さ5.0cm



