小さなキッチンで、湯気の立つご飯の香りがほのかに漂っていた。母親の部屋を訪ねた娘は、持参したタケノコを薄切りに調理し、炊き込みご飯を作っていた。母親は少し驚いた様子で、手元の仕事を止めて娘の動きを見つめている。
「今日はこれで食べてみてよ。」娘はそっとテーブルに小さめの蓋つき丼を置いた。口径18センチほどのその丼は、小ぶりながらも、どっしりとした存在感を放っていた。赤絵の模様が器全体に優しく広がり、染付の絵も描かれている。さらに、緑のアクセントが鮮やかに加わり、どこか懐かしくも華やかさを感じさせる。


母親は微笑みながら、その丼の蓋をそっと持ち上げた。「まあ…美味しそうなタケノコご飯ね。」湯気とともに、ほんのりと醤油の香ばしさが広がる。「器は、お母さんの一人暮らしには、ちょうどいいサイズでしょう?」娘が言うと、母親は小さく頷いた。「そうね、一人で食べるときも、このくらいのサイズがちょうどいいかも。」
娘はその様子を見て少し安心した様子で微笑んだ。ふたを取った丼の中、炊き立てのタケノコご飯が温かく湯気を立てている。母親は一口運んで、しみじみとした表情で噛みしめた。「おいしい…ありがとう。こういう丼で食べると、なんだか贅沢な気持ちになるわね。」
親子はふとした沈黙の中、心安らぐ時間を共にする。いい器だ。
呉須赤絵蓋付小丼・土山敬司


呉須赤絵蓋付小丼・土山敬司《丼・どんぶり・麺鉢・うどん鉢・蓋物・13.0cm・300ml》
蓋無し:直径13.0 × 高さ7.3cm
蓋あり:直径13.0 × 高さ9.5cm
蓋の下までで、おおよそ300mlほど入ります。

