料理になごみと気品を与えてくれる和食器。
それは、日本人の暮らしに深く根ざした、心を整える道具でもあります。なかでも「飯碗」は、日常の食卓において、特別な役割を担ってきた器です。
和食器の基本、それが飯碗
和食器の中でも、飯碗はまさに暮らしの中心。
主食がパンやパスタへと多様化してきた現代においても、ご飯はやはり日本人にとって特別な存在であり、それを受け止める飯碗は人生の相棒とも言える器です。
お食い初めの小さな飯碗に始まり、日々の食卓をともにする器、そして時には思い出として手元に残る器。
人は一生のうちに、いくつの飯碗と出会うのでしょうか。
「自分の器」という文化
かつて、飯碗は個人所有のものでした。
「これは父の茶碗」「これは私の茶碗」と、それぞれの器には“持ち主”がいたのです。
その人の手に馴染む形、重さ、質感──すべてが個人に寄り添う設計だったからこそ、大切に扱われてきました。
飯碗は手で持って食べるもの。
だからこそ、掌に自然と馴染むことが何より大切です。
手の大きさや指の感覚、体格によって“しっくりくる”茶碗は人それぞれ。毎日使う器だからこそ、自分に合った一碗を選びたいものです。
ご飯がおいしく見える器
どんなに同じご飯でも、茶碗を替えるだけで不思議と味も気分も変わります。
土の風合い、釉薬のぬくもり、絵柄のやさしさ──それぞれがご飯の白さを引き立て、食事に彩りを加えてくれます。
「これは風流だな」「今日はこの器の気分」
そんなふうに、その日の気持ちで飯碗を選ぶ。
それは、ほんの少しの贅沢であり、暮らしにやさしい豊かさを運んでくれます。
飯碗は、毎日の温もり
ひとくちに“飯碗”といっても、色も形も本当に多彩です。
伝統的な染付、手描きの文様、渋みある釉薬、軽やかな磁器──どれもが食卓に個性をもたらしてくれます。
お気に入りの茶碗をいくつか持っておくと、毎日のご飯が少しずつ違った風景になります。
日常の中に、ささやかな楽しみを添えてくれる飯碗。
その存在は、家庭の温もりそのものであり、日本の食文化の心を体現する器なのです。

【有田焼】【源右衛門窯】 染錦茘枝唐草文飯碗
数量 サイズ 1客 径 約10.5cm 高さ 約5.9cm







