名工の系譜をひく、色絵磁器の芸術
京焼(清水焼)は、多くの名工によって磨かれてきた日本有数の美術陶芸の系譜をもっています。尾形乾山や野々村仁清に始まり、近現代では富本憲吉や三代清風与平など、名だたる陶工たちがそれぞれの美意識を器に表現してきました。とくに色絵磁器は、手描きによる緻密な絵付けが特徴で、花鳥や雅楽、詩歌の世界を磁器の上に再現し、まるで一幅の絵画を見るような美しさを持っています。
京焼清水焼の窯元、碧黄石窯のカップ&ソーサーです。
こちらは碧黄石窯らしい独特の絵柄で描き詰めされた、非常に珍しい作品です。碧黄石窯が得意とする桝小紋がびっしりと描かれており、小さな桝の中に細かな絵柄が描かれている様子から桝小紋と呼ばれています。
京焼・清水焼 矢野正三(碧黄石窯) 桝色小紋碗皿(手無し)
寸法:(碗)直径7cm×高さ8.5cm (皿)直径6.7cm×高さ8cm 容量 120ml

手の込んだ京染付の世界
京焼の染付は、ただの藍一色ではありません。繊細な筆致と、奥行きのある青の表現が特徴で、磁胎に描かれた文様はどこか詩情を帯びています。染付唐草、人物文、風景図など、細密な構図と手仕事ならではの揺らぎが、どこか温かみを感じさせます。江戸時代の文人趣味を反映した構図も多く、知的な香りの漂う器です。
京都の粋と雅を映す色絵磁器
京都は古くから文化と美意識の中心地。その空気を映すように、京焼の色絵磁器は派手さよりも上品な華やかさを持っています。紅、緑、金彩を巧みに組み合わせながらも、どこか控えめで気品が漂うのが特徴。茶道具や懐石器など、もてなしの場にふさわしい器として重宝されてきました。絵柄には四季の草花や古典文様がよく使われ、目にも心にもやさしい美しさです。
京風の美を、現代の食卓に
伝統を受け継ぎながらも、京焼は現代の食卓にしっくりと馴染むモダンな器としても進化しています。和洋を問わず料理を引き立てる上質な器は、日常の食事にひとさじの「粋」を添えてくれます。薄造りの軽やかさや、手取りのよさ、そして控えめでいて存在感のある色絵や染付が、毎日の食卓に特別感を与えてくれます。
一客一亭──器との一期一会を愉しむ
京焼の器は、それぞれが一点もののような存在感を持ち、使う人との対話を楽しむものでもあります。絵柄の微妙な違い、筆の運び、形のゆらぎは、まさに「一期一会」の心そのもの。お気に入りの一客に出会い、日々の食卓でその美を味わう──そんな豊かな時間が、京焼の魅力です。








