白い素地に藍一色で描かれた文様。
その清楚で静謐な美しさは、和食器の中でもとりわけ多くの人々の心を惹きつけてきました。
「染付(そめつけ)」は、まるで水墨画のように、藍の濃淡だけで豊かな景色を描き出す技法です。
染付とは


染付とは、やきものの素地に藍色の顔料「呉須(ごす)」で絵付けし、その上から透明釉をかけて高温で焼き上げる技法、またはその焼き物そのものを指します。
1300度前後の還元炎(酸素の少ない窯内の環境)で焼成することで、呉須に含まれる酸化コバルトが美しい藍色へと変化します。この発色は、同じ「藍」といっても筆の運びや釉との相性によって千変万化。そこがまた、染付の醍醐味です。


磁器にも陶器にも
一般に磁器の印象が強い染付ですが、実は陶器にも用いられます。磁器の滑らかな白地にくっきりと映える藍もあれば、陶器の温かみのある地肌に滲むように広がる藍もまた、味わい深いものです。
また、透明釉だけでなく、青磁釉などをかけて、淡い青地に藍の文様を描く染付も存在します。表情の違いが楽しめるのも、染付の魅力です。
表現の幅広さ
染付の技法は、絵筆で描くだけに留まりません。いくつか代表的な技法をご紹介します。
・濃(だみ):太い濃筆で呉須を塗り込める技法。むらなく塗るには熟練を要します。
・墨弾き:白く残したい部分に墨を塗り、その上から呉須を濃く塗る。軽く焼くと墨が焼け落ち、白抜き模様が浮かび上がります。
・吹き墨:呉須を霧吹きのように吹き付ける手法。細かい斑点模様が独特のやわらかさを演出します。
・スタンプ・刷り絵:量産のために生まれた技法で、型を使って呉須の文様を写し取る方法。現代でもよく見られます。



古染付と祥瑞(しょうずい)
染付の代表的な意匠としては「古染付」と「祥瑞」があります。
・古染付:大らかで即興的。筆の勢いを感じる素朴な趣が特徴。茶道にも好まれる「侘び」の美を湛えています。
・祥瑞:精緻な筆致で幾何学文や花鳥図を描く華やかなスタイル。細密な丸紋や格子文などの装飾性が高く、料理をより一層引き立てます。
また、たとえば砥部焼などでは、分厚い白磁に簡素な藍の草花文や唐草、幾何学模様などを大胆に配し、丈夫で日常使いに適した染付の器が焼かれています。
食卓で楽しむ藍の景色
染付の魅力は、その色彩がどんな料理ともよく合うこと。
藍色は強すぎず、しかし存在感があり、和洋中どの料理でも受け止めてくれます。器の縁に描かれた模様、余白の美しさ、藍のにじみ。そのすべてが食卓に静かな物語を添えてくれます。
お気に入りの染付の器をひとつ、ふたつ。
食卓に藍の景色を取り入れてみませんか。
古染付草花紋 輪花皿
いかにも有田焼らしい、古典中の古典の古染付草花紋のりんか皿。りん花の変形生地に、見込みには福の字、さらにやや時代のかかった染付文様を丁寧な筆致で描いた上品な仕上がりです。


古染付草花紋 輪花皿
サイズ 約Φ15.2×H3.5cm
素材 磁器
生産地 有田焼
古染付草花紋 輪花皿
京焼 清水焼 染付祥瑞ぐい呑 貴史
七宝紋や青海波など細部まで精緻な息の抜けない絵付けが魅力のぐい呑。
見込みには捻子祥瑞がびっしりと手描きで埋め尽くされています。


京焼 清水焼 染付祥瑞ぐい呑 貴史
寸法 直径6.7cm 高さ5cm 木箱
※手作りですので形や色、大きさ、重さは1つ1つ異なります。

