陶芸の世界では、地の土(素地)とは異なる色の土を表面に施すことで、多彩な表現を生み出します。これを「化粧土」と呼び、さまざまな技法が生まれました。


■ 白化粧と粉引(こひき)
もっとも基本的な化粧土の使い方が、地の土に白土をかけて白くする「白化粧」です。この白化粧の上に透明な釉薬をかけて焼成すると、やわらかく、温かみのある表情をもつ「粉引(こひき)」となります。
粉引は、白い土肌にほのかに土味がにじみ出るような独特の風合いを持ち、日本各地の陶芸窯で親しまれてきました。
なお、化粧土には白だけでなく、緑、黒、青、黄など多様な色合いがあり、作品の表情をさらに豊かにします。
■ 刷毛目(はけめ)
白化粧を刷毛で塗り、あえて刷毛の跡を残したものを「刷毛目」と呼びます。
ざっくりとした刷毛の跡が土味と相まって、素朴で力強い表情を見せる技法です。粉引と同様、刷毛目も多くの窯場で制作されています。



■ 彫文様と化粧土 ― 象嵌、三島手、掻落し
化粧土は、彫りを施した素地と組み合わせることで、さらに多彩な表現が可能になります。
● 象嵌(ぞうがん)
素地に彫った溝に異なる色の化粧土を塗り込み、表面を削り取ることで、溝の中にだけ異色の土が残る技法です。
まるで模様が土に埋め込まれたかのような、奥行きと繊細さのある表現が生まれます。
● 三島手(みしまで)
朝鮮半島由来の象嵌技法の一種で、半乾きの素地に印判(スタンプ)で模様を押し、その上に白化粧土をかけてから、余分な部分を削り取る方法です。
模様は、三島暦(旧暦のカレンダー)に似ていることから、「三島手」と呼ばれるようになりました。
● 掻落し(かきおとし)
化粧土をかけた後、線や面を掻き落として模様を描く技法です。掻き落とした部分には地の素地の色が現れ、コントラストのある大胆な文様が生まれます。
■ 筒描きとイッチン描き
筒状の道具(イッチン)に釉薬や泥漿(でいしょう=泥状の化粧土)を入れ、絞り出すようにして素地に文様を描く方法が「筒描き」です。
細い線描きや盛り上がった立体的な装飾ができるのが特徴で、「イッチン描き」とも呼ばれます。筒描きでも異なる色の土が使われ、豊かな表現が可能になります。
■ 練込み・練上げ・鶉手(うずらで)
また、器そのものを異なる色の土を組み合わせて成形する方法もあります。これを「練込み」または「練上げ」と呼びます。
色土を練り合わせて文様を作り出すこの技法では、絵具、化粧土や釉薬を使わなくても器自体に色彩豊かな模様が表れます。
特に、細かくまだらに混ざった模様は鶉(うずら)の羽に似ていることから「鶉手」と呼ばれることもあります。
練り込んだ模様は、自然なグラデーションや景色となり、素朴でありながらも深い趣を感じさせる仕上がりになります。


まとめ
化粧土や異色の陶土を使った技法は、陶芸に多彩な表情と奥行きをもたらします。
土そのものの色や質感を生かしながら、釉薬とはまた違ったやわらかな味わい、あるいは力強い個性を引き出すことができるのです。
これらの技法を知ることで、焼き物を見る楽しみも一層深まるでしょう。
渕錆粉引ディナープレート24.5cm 美濃焼


渕錆粉引ディナープレート24.5cm 美濃焼
【サイズ】24.5cm×24.5cm×高さ3.0cm(※全て外寸です)
【重さ】610g
(※サイズと重さは商品ごとに誤差がございます)
【質感】ツルツル
【材質】磁器
※日本製(美濃焼)

浅鉢 16.5cm 渦刷毛目 クリーム
クリーム色の優しい素地に、うっすらと渦模様が浮かぶ刷毛目のナチュラルな食器。


浅鉢 16.5cm 渦刷毛目 クリーム
サイズ/直径16.5×高さ3.8cm
重さ/約260g(商品により誤差があります)
容量/約 411cc(満水)
質感/マット
素材/磁器
生産地/日本(美濃焼)


三島4.8寸鉢・吉井史郎《小鉢・15.0cm》


三島4.8寸鉢・吉井史郎《小鉢・15.0cm》
おおよそ直径15.0 × 高さ5.5cm

